永遠の2時間という僕の大好きな景色
真夜中。朝日が差す前の誰もいない景色。
街灯が寒々しく照らす、誰も居ない裏路地の交差点。
野良猫すら歩いていない、シャッターの下りた寂しい商店街。
まるで時間の流れが止まってしまったような真夜中の景色を、僕は『永遠の2時間』と呼んでいる。
朝日が差してくれば終わり、人通りのある時間帯は感じない、まるでいつもの景色ではない様な、誰も入っていけないような、神秘すらも感じる偉大な景色。
そこだけ切り取ってしまったような、取り残されてしまったような景色が僕は昔から大好きである。
『永遠の2時間』
なぜ2時間なのかわからない。
だが、そんなことはどうでも良くなるような、感情すらも溶けてしまいそうな不思議な景色を見つけると、ふと僕は足を止めてしまう。
その景色から生まれるものは何も無いかも知れない。
なぜ足を止めて眺めているのかもね解らなくなる。
やがて僕は現実に戻る。
何もなかったように歩き出す。
『永遠の2時間』が朝の訪れと共に白けていくのを、僕は見たくないのかも知れない。
僕の住む場所が変わったせいか、最近は昼間でも『永遠の2時間』を見つけることがある。
共通しているのは、やはり時間の流れから取り残された場所。
何もない場所で目を見開いて一点を見つめている怪しい人物を見かけたら、それは僕かも知れない。