線路は続くよどこまでも
子供の頃から僕は鉄道が大好きで、車窓から見える景色に想いを馳せていたものである。
いつかは鉄道模型を集めて壮大なジオラマを作りたいという想いもある。
今は便利なもので、ユーチューブを開けば作り上げられた景色の中を走る鉄道模型の動画も、本物の列車の動画も手軽に観ることが出来る。
ありがたいことです。
そんな僕は通勤電車すら楽しんでいた。
ラッシュの時間を避け、いつも1本か2本早い電車に乗って通勤していた。
見える景色は毎日同じでも、季節の移り変わりや、右側左側で新しい発見が毎日あった。
気になった風景にちょっとだけ妄想をはめ込んだり、通勤時間も楽しむ事ができた。
誰にも邪魔されない時間。
そりゃ誰も居ない自宅で誰にも邪魔されないのが1番だけど・・・
でも、与えられた時間と空間で自分なりに楽しむ事は出来る。
それが想像力だと思っている。
携帯電話なんか持ってなかった子供の頃は想像力だけが唯一の武器だったんだなと思う。
これから先、もっと便利な物が手軽に手に入るようになるだろう。
今は電車の中でスマホに夢中になっている人達も、次なる新しい物に夢中になっていくんだろう。
僕もその一人になるかも知れない。
だけど、どれだけ便利な世の中になっても想像力だけは忘れないようにしようと思う。
線路に終わりがあるように、人生の終点に到着するその時まで。